インタビュー

2014/09/25

大企業と中小企業をつなぐサービスLinkers(リンカーズ)~Webと人の力でマッチング~

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 技術大国ニッポン。技術に優れた日本の大企業は、市場に数多くのイノベ―ティブな製品を生み出してきました。それら製品の多くには、優れた稀有な技術を持つ日本の中小企業で作られた部品が使われ、最終製品として市場に出されています。

 しかし、製品サイクルの加速化、産業構造の変化により、大企業は新たな製品・サービスの創出が急務であるものの、既存のサプライヤーだけでは、新たな製品・サービスを生み出すことが困難になってきています。

 今回は、そんな大企業の悩みを解決し、別次元の産業構造の創出に挑むマッチングサービス「Linkers(リンカーズ)」を手掛ける株式会社Disttyの加福秀亙代表取締役COOに話を伺いました。

大企業と中小企業のマッチング

―― 主な業務内容を教えてください。

提供している主なサービスはLinkers(リンカーズ)というサービスです。Linkersは、クライアントとなる大企業や中堅企業が新たなサプライヤーを見つけるためのマッチングサービスです。大手の企業が新規事業などを行う際、自社にない技術や新たなサプライヤーが必要になることがあります。しかし、日本全国に46万社あると言われるものづくり中小企業を網羅的に探索する仕組みはこれまで存在していませんでした。そのため、大企業や中堅企業がイノベーティブな製品を生み出そうとしても、最適な技術・製品を持つ中小企業が見つからずに製品開発が途中で頓挫してしまうことが多々あったのです。せっかくイノベーションの種があって、それを実現できる技術も世の中には存在しているのに、適切なサプライヤーと出会うことができないがために、イノベーションが実現できない、これは日本のモノづくり産業の大きな損失となっています。そこでLinkersは、イノベーションの種を実現するのに適した中小企業などを探し出し、大企業とマッチングさせる日本唯一のものづくりプラットフォームを構築しました。特徴は、日本全国津々浦々の産業支援機関、公設試験場、大学、民間の支援団体などの中小企業を支援しているコーディネーターの方々をネットワーク化しているということです。大企業から提示されたお題をこのコーディネーターネットワークの中に投げ込むと、コーディネーターの目利きによって最適な中小企業を紹介して頂く、という仕組みになっています。このようにWebとコーディネーターというアナログを融合することによって、複雑なものづくりの世界で適切なマッチングを行うことが可能になり、イノベーションの実現をサポートできるのです。

―― コンサルティング会社出身の方が多いですが、創業のきっかけを教えてください。

コンサルティングは大企業を対象に行いますが、より大きな規模で産業構造を変えたいと考えた時、大企業だけを対象にしていては、日本の産業構造を変えることは出来ないと思いました。わたくしは前職のコンサルファームで製造業のコンサルティング活動を10年間行ってきましたが、その中で国内の中小企業には、活かしきれていない技術がたくさんあるということを感じていました。そこで、中小企業の技術を最大限発揮できるような場をつくり、世の中に埋もれてしまっているリソースに光を当てるために、大企業と中小企業を繋ぐ仕組みを作りたいと思ったのが、創業のきっかけです。

―― 自身が入社した経緯を教えて下さい。

元々、代表の前田とは前職の同僚で、同じプロジェクトを一緒に実行した仲間です。その中で、日本のモノづくり産業に同じ問題意識を持つに至り、最初に前田がDisttyを立ち上げ、方向性が見えてきた1年後にわたくしが加わりました。

―― どのようにクライアントとなる大企業、中堅企業を探しているのでしょうか。

お付き合いのある企業・機関からの紹介がほとんどです。出資して頂いているベンチャーキャピタルや提携先の企業、個人、大企業のOB等です。また、弊社は地方の有力な経済団体である各地の「経済連合会」ともつながりを持っており、それらの会員企業もご紹介頂いています。

人の手を介して絞り込まれる信頼できる情報

―― 似たようなサービスを提供している企業とは違う点を教えてください。

クライアントに条件を登録してもらい、その条件に適した企業が手を挙げるといったシステムは他にもなくはないですが、弊社は目利きができるコーディネーターから推薦してもらった企業をさらに絞り込むという形で、人の力を介在させた形のWebシステムとして運用しています。機械的にマッチする企業をリストアップするだけでなく、コーディネーターを介することでコーディネーターが持つディープで常にアップデートされている情報を基にしたマッチングを行っているのが特徴です。

さらに、現在も拡大していますが、日本全国で1000名以上のコーディネーターネットワークを有していることにより、他社にはない網羅性を実現しているのが特徴です。

また、一般的に、クライアントは事業内容などの詳細情報が流出することを懸念されますので、Linkersではコーディネーターに対して秘密保持契約を結ぶことを義務付け、企業の機密情報が漏洩することを防いでいます。その点は、他のサービスとの違いであり、クライアントには評価して頂いています。

―― Linkersを運営していく上で困難なことや課題がありましたら教えてください。

先ほども言いましたが、Linkersは候補企業をリストアップするだけでなく、その中でクライアントにとって、どこの企業が適しているか、という絞込みまで人が行うため、とても時間がかかります。これを如何にしてプロセスを標準化し、Webシステムとして構築するか、というのが現在の課題ですね。

コーディネーターに該当企業をリストアップしてもらった後が大変で、社員が行う作業が多いため、無駄やコストを上手く削減しつつ、クライアントとのコミュニケーションは取り続ける形でやっていければと思っています。

―― 会社としての方向性や今後のビジョンがありましたら教えて下さい。

我々が目指すのは、日本でもっとイノベーションが頻発するような産業の構造に変えられるような、モノづくりプラットフォームになることです。そのためにも更なるネットワークの拡大と、さらなるものづくりを支援するサービスの拡大をしていきたいと思っています。また、海外にもネットワークを構築し、ボーダレスに日本のモノづくりの力が活躍できる仕組みを作っていきたいと考えています。

企業と企業のマッチングサービスという、情報にあふれた現代らしいサービスでありながら、最終的には人の力で情報を提供している点が印象的でした。他の分野でもこのようなマッチングサービスが徐々に始まってきているようです。

Linkersの事業が今以上に拡大したら日本の産業がもっと活発になるのではないでしょうか。


Interviewer インタビュアー


デラワリ アミン

フューチャーベンチャーキャピタル株式会社

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